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住まいの学び場サムネ

マンション1階のお部屋の魅力とは?

2022.11.08

一般的に、マンションの1階のお部屋は2階以上のお部屋に比べると、人気がありません。

どうしても日当たりや眺望が良くなかったり、セキュリティ面や水害などの災害耐性が心配という方が多いからだと思います。

しかしながら、実はマンションの1階のお部屋にも、たくさんの魅力があるのです。

今回は、マンションの1階のお部屋のメリットとデメリットについて解説していきたいと思います。

マンション1階のお部屋のデメリット

まずは1階のお部屋のデメリットから見ていきましょう。

◎ 冬場はとても寒い

下の階にお部屋がないかわりに、1階のお部屋の下は “地面” になっています。

2階以上のお部屋の場合は、お部屋の下には下の階のお部屋があるので、そのお部屋が断熱の役割を果たしてくれるのですが、1階はお部屋の下が直接地面になるので、冬場は地面からの冷気が、お部屋をキンキンに冷やしてしまいます。

1階のお部屋の場合は、リノベーションで床暖房を導入したり、床下に断熱材を入れる等の工夫が必要になります。

◎ 眺望や日当たりが良くない

お庭のスペースがあるのは魅力的ですが、眺望は良くないことが多いです。


1階に限った話ではありませんが、リビングの窓の向かい側に別の建物が建っている場合には、眺望はもちろんのこと、日当たりや風通しも悪くなってしまいます。

日当たりや風通しが悪いと室内に湿気がこもりやすく、結露やカビに悩まされてしまうこともあります。

物件の内見をする前にGoogle mapの上空写真などで、バルコニー側がどのようになっているかを確認するとともに、内見時には全部の窓を開けて、ちゃんと風が通るかどうかも確認すると良いでしょう。

物件によってはバルコニーの目の前に、道路からの目線を遮るための植栽が植えられており、日当たりが非常に悪い物件もあるので注意が必要です。

◎ セキュリティが弱い

築年数の比較的浅い物件であれば、エントランスにオートロックが設置されているマンションも多いですが、1階のお部屋の場合はバルコニー側から空き巣に侵入されるリスクが高くなってしまいます。

外から見たときに、バルコニーの内側が死角になってしまうような物件は注意が必要です。
女性の場合はバルコニーに干している洗濯物を狙われるリスクもあります。

心配がある場合は、個別にセコムなどの防犯システムを導入すると良いでしょう。
防犯システムはマンション全体で導入されているようなマンションもあります。

◎ 洪水等の水害のリスクが高い

出典:世田谷区水害ハザードマップ


川や海が近い物件の場合、各市区町村がホームページ等で公開しているハザードマップを確認する必要がありますが、水害リスクの高いとされるエリアに建っているマンションの1階は注意が必要です。

マンションの管理人さんなどに、過去の大きな台風や大雨の際に、浸水したことがあるかどうかを確認すると教えてくれることが多いです。

最近は温暖化の影響もあり、想像もできないような規模の災害が発生するようになってきてしまっていますので、水害リスクの高いエリアに建つ物件の場合は、できれば1階のお部屋は避けた方が賢明です。

◎ 蚊などの虫が入ってきやすい

やはり高層階のお部屋に比べると、蚊などの虫が室内に入ってくるリスクは高くなってしまいます。

特に木がたくさん植えられているような専用庭があるようなお部屋だと、どうしても虫は発生してしまいます。

虫がどうしても苦手という方の場合は、できるだけ高層階を選ばれた方が良いかもしれません。

網戸を閉めたり、虫除けの対処をすれば、ある程度は防ぐことはできるかと思います。

ちなみに私は以前、タワーマンションの24階のお部屋に住んでいましたが、24階でも時々、蚊が室内にいたり(バルコニーから入ってきたかどうかは不明ですが)、セミやてんとう虫などがバルコニーに飛んできたことはありました。おそらく地上から吹き上げられる風に乗ってやってきたんだと思います・・・

マンション1階のお部屋のメリット

1階のお部屋には確かにデメリットもたくさんありますが、次はメリットについて見ていきましょう。

◎ 下の階の住人に気を使わなくても良い

なんといっても1階のお部屋の最大の魅力はお部屋の下に、別のお部屋が無いことです。

マンションの場合、どんなに最新の新築マンションであっても、どうしても子供の走り回る足音や、物を落とした時の音が下の階に響いてしまいます。

特に小さなお子さんがいらっしゃるご家族の場合は、気にされる方も多いかと思います。

実際に、下の階の住人が神経質な方だったりすると大きなトラブルになることも多く、日々の大きなストレスになりかねません。

賃貸物件であれば引っ越してしまえば良いですが、購入した物件となるとそうはいきません。

1階のお部屋は下の階に誰も住んでいないため、日々、騒音について気を使わずに生活できるというのは大きな魅力となります。

◎ 専用のお庭があることも

1階のお部屋の場合は専用のお庭が付いている物件も多くあります。

管理規約で使い方のルールが決まっていることも多いですが、ガーデニングを楽しんだり、小さなテーブルや椅子を出して、太陽の下で食事やコーヒーを楽しんだり、夏にはビニールプールを出して遊んだりと、様々な楽しみ方ができます。

専用庭が広い物件の場合は、布団など、大きなものも干しやすいといったメリットもあります。

ただし、地表がタイル等で舗装されておらず、土や芝生になっている物件の場合は自分たちでお手入れしなければならないといったデメリットもあります。

専用庭は「専用使用権付きの共用部」になりますので、マンションの共用部ではあるものの、日々のお手入れなどは居住者(区分所有者)で行わなければならないことがほとんどです。
道路に面して植えられているような大きな植栽は、管理会社の方で一括で剪定などを行うことが多いです。

夏場などは少し放っておくだけで雑草だらけになってしまうこともあり、お手入れは想像以上に大変だったりします。

◎ 災害時に階段の上り下りが不要

地震発生時など、エレベーターが停まってしまうと上階の住人の場合、階段で上り下りをしなければならないといったデメリットがあります。

地震を感知して非常停止したような場合は基本的にはすぐに復旧しますが、電気系統や機械のトラブルなどで数日間にわたってエレベーターが使えなくなってしまうという可能性もありますので、注意が必要です。

その点、1階のお部屋の場合は階段の上り下りは不要なので災害時も安心です。

とはいっても、住んでいる間に何度もそんなことが起きるわけではありませんので、過剰に心配する必要はありません。

◎ エレベーターを待つストレスが無い

エレベーターの少ないマンションの場合、朝の通勤時間帯などはエレベーターを何分も待つことになり、非常にストレスを感じるという話をよく聞きます。

1階のお部屋の場合はエレベーターに乗る必要がありませんので、毎朝、無駄なストレスを感じる必要がありません。

私が以前住んでいたタワーマンションは1000世帯以上が住んでいるような、とても大きなマンションだったので、待てども待てどもエレベーターがなかなか来ないということも多々ありました。特に子供たちの通学の時間帯に重なると、ランドセルが大きいので、一機のエレベーターに多くの人数が乗れず、所在階によってはエレベーターを何本も見送るといったこともありました・・・。



◎ フローリングの規定が緩い場合もある

管理規約にはこのように記載されていることが多いです。


マンションの管理規約には、リノベーションの際に使用しても良いフローリングの遮音等級が定められており、「遮音等級LL40以上(通常はLL45が多い)のフローリング材を使用すること」などと、やや厳しいルールになっているマンションもありますが、1階のお部屋の場合はそのルールを適用しなくても良いというマンションもあります。

遮音等級の数値は、低ければ低いほど遮音性能が高いということになります。

1階のお部屋の場合は下の階の方に迷惑がかかるということがありませんので、リノベーションの際に選択できるフローリング材の種類の幅も広がる可能性があります。

まとめ

サムタイムズのお客様でも「1階のお部屋はNG」という方が多いですが、1階には1階特有のメリットもあります。

上記のデメリットが許容できるようであれば、候補に入れてみても良いかもしれません。

1階でも、とても日当たりや風通しが良く、気持ちよく暮らせるお部屋もたくさんありますよ。