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住まいの学び場サムネ

マンションの外観はタイル張りが良いのか?

2023.01.10

インターネットなどで物件探しをしていると、物件のアピールポイントとして「外観タイル張り」と強調されていることがよくあります。

外壁がタイル張りのマンションは重厚感高級感があり、見た目の印象が良いことが多いので、物件のアピールポイントになるのです。

マンション全体の印象に大きな影響を与えるマンションの外観ですが、マンションの外壁にはタイル張り以外にどのような種類があるのでしょうか。

マンションの外壁は大きく分けて2種類

マンションの外壁の施工方法には大きく分けて「タイル張り」と「吹き付けタイル」の2種類があります。

とあるヴィンテージマンションの外壁です。焼き物のタイルが使われています。
こちらは吹付タイルの写真です。

タイル張りとはその名の通り、コンクリートの表面を石材や磁器質のタイル張りで仕上げているもののことをいい、吹き付けタイルとはコンクリート面に対して合成樹脂とモルタル等を混ぜ合わせた素材をスプレーガンで吹き付けて覆うもののことをいいます。

タイル張りと吹き付けタイル、それぞれの違いをみていきましょう。

タイル張りと吹き付けタイルの違い

見た目の美しさ

筆者が住む築35年のタイル張りのヴィンテージマンションの外観です。

人によって感じ方に差はあり、好みの問題でもありますので一概にはいえませんが、一般的には吹き付けタイルのマンションに比べ、タイル張りのマンションの方が重厚感や高級感があるといわれています。

特にヴィンテージマンションなどで使われている、一枚一枚丁寧に焼き上げられた磁器質のタイルなどは、今の新築マンションなどではなかなか表現できない独特なコントラストや質感を感じることができます。

吹き付けタイルの場合は表面にタイルのような表情が出ないため、単調な印象になってしまったり、どうしても風雨による汚れや、劣化や地震などによるひび割れが目立ってしまいます。

施工にかかる手間やコスト

マンションを新築する際にかかるコストもタイル張りのマンションと吹き付けタイルのマンションとでは異なります。

タイル張りのマンションは職人さんが一枚ずつコンクリート面に貼付けていくので、吹き付けタイルの施工に比べて多くの手間がかかるため、建築コストも高くなってしまいます

一般的には外観がタイル張りのマンションの方が分譲価格も高く、仕様(グレード)の高いマンションであるといえます。

強度・耐久性

マンションの寿命=コンクリートの寿命ともいえます

アルカリ性のコンクリートが雨に打たれて劣化し、中性化していくと、コンクリート内部にある鉄筋が徐々に錆びつき、膨張していくことで、やがてヒビ割れが生じます。

コンクリートが劣化するのは雨や風、大気中の二酸化炭素、日光(紫外線)が原因とされています。

それらからコンクリートを守る為に外装をタイル張りにしたり、吹き付けタイルで覆ったりするのですが、一般的に吹き付けタイルよりもタイル張りの方が強度や耐久性が高いとされています。

タイル張りは、厚くて固いバリアで包まれているとイメージすると、わかりやすいかもしれませんね。

吹き付けタイルの場合は地震などの影響で塗装面にヒビが入り、その隙間から水分が侵入してしまうといったリスクがあります。

メンテナンス・修繕にかかるコスト

外壁を長持ちさせていくためには定期的なメンテナンスが必要になります。

タイル張りの場合は耐久性が高いため、よほどの劣化が無い限り張り替える必要はありませんが、吹き付けタイルの場合は大規模修繕のタイミングなど、10年程度ごとに塗装が必要になるため、その分、修繕費がかかることもあります。

ただし、タイル張りのマンションであっても施工がしっかりされていないと、接着面が劣化してタイルが剥がれたり浮いたりすることもあり、全てを張り替えるといった状況になってしまった場合には補修に多額の費用がかかってしまうこともあります。

また、外壁のタイルが剥がれ落ちて通行人がケガをしてしまうような事故も、少なからず発生していますので、中古マンションを購入する際には、過去に外壁に関するトラブルがなかったかどうかを確認すると良いでしょう。

まとめ

 タイル張りはデザイン性に加え、機能的にもマンションを長持ちさせるうえでの有効な施工方法であるといえます。

ただし、けっして吹き付けタイルのマンションが悪質なマンションということではありません。

きちんと定期的にメンテナンスがされていれば、吹き付けタイルのマンションでも全く問題はありません

一方で、全体的に吹き付けタイルのひび割れや汚れが放置されてしまっているようなマンションは、管理状態に心配があるので、注意が必要です。

タイル張りのマンションを購入する場合でも、外観をきちんと確認し、タイルがデコボコしていないか、剥がれていないかをチェックするようにしましょう。