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友人から送られてきたマンションとは・・・
それは2021年の年末のこと。
不動産会社に勤める友人からメールで送られてきた、いくつかの物件資料を眺めていた時、ふと目に留まる物件がありました。
こちらが実際に送られてきた資料です。(物件名や価格等は消させていただいていています)
その物件は『ペアシティ』というシリーズのヴィンテージマンションで、なんと、専有面積が127.19㎡もある、とっても広い物件でした。
価格も今の相場から考えるとそんなに高い価格ではなく、以前に住んでいた65㎡のタワーマンションを売却した金額で買えるような価格でした。
東京23区内で130㎡の広さだと、今の価格相場ではゆうに1億円を超えるのが当たり前ですが、そのマンションは1億円を大きく下回る価格でした。
友人からの紹介なので特別に安くしてもらったんでしょ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、過去の同マンションの成約事例の相場からみても妥当な価格設定でした。
その時は正直、「なんでこんなに安いんだろう?」と、不思議に思ったほどでした。
さて、『ペアシティ』というマンション、ご存知ない方がほとんどだと思います。
今だと三菱地所の『ザ・パークハウス』や野村不動産の『プラウド』、東京建物の『ブリリア』などのブランドが有名ですが、『ペアシティ』も今では新築で建てられることはありませんが、ヴィンテージマンションとしてはとても有名なマンションなのです。
ヴィンテージマンションでは他にも『ホーマット』や『ドムス』といったシリーズも有名です。
ヴィンテージマンションって何?と聞かれると定義は曖昧だったりするのですが、私の考えるヴィンテージマンションの定義は1980〜90年代に良好な立地に建てられた高級マンションで、今もなお良好な管理状態が保たれている、主に外観が風合いのあるタイル張りのマンションです。
敷地に余裕を持って建てられており、建物の周りが植栽などのグリーンに囲まれていることが多いのも特徴のひとつです。
『ペアシティ』ってどんなマンション?
ペアシティは東高ハウス株式会社が分譲したマンションで、施工は竹中工務店が請け負っていることがほとんどです。
参宮橋や代々木、高輪など、東京の都心部にいくつか存在するマンションシリーズで、赤茶色やオレンジ色のレンガタイル張りの、シュッと角が立った重厚感のある外観が特徴です。
私とペアシティとの出会い
実は数年前、とあるペアシティの中古物件を、お客様と一緒に内見したことがありました。
築後30年以上も経過しているのに、とても重厚感のあるタイル張りの外観で、こだわって造りこまれたエントランスや集合ポスト、玄関扉などに衝撃を受けました。
バルコニーの内側は外から見えないので、普通のマンションでは壁が吹きつけ仕様、床はビニールのシートが敷かれていることが多いのですが、ペアシティは外から見えないバルコニーの内側にもしっかりとタイルが貼られています。
それはそれは新築当時に非常にこだわって建てられたことが随所に感じられる、とても素敵なマンションで、お客様のご案内中にもかかわらず、私自身が大興奮してしまいました・・・。
その日から、自分もいつかはペアシティのような中古のヴィンテージマンションを買って素敵なリノベーションがしたい!という夢を持つようになりました。
そして今回、偶然にも友人から送られてきたペアシティの物件資料を見た時に「もしかするとこれは運命・・・!?」と感じたのでした。
しかし、よく見ると懸念点もたくさん・・・
しかしながら、物件資料をよくよく読み込んでみると、そのマンションには以下のような懸念点がありました。
・最寄駅から徒歩18分
・1987年築(築35年)の築古
・床はフローリングではなくカーペット
・オール電化で給湯は電気温水器
・ユニットバスではなく在来工法のお風呂
・2階で向かいのマンションとお見合い
一般的には避けられがちな条件がいくつもあてはまる物件だったのです・・・。
私自身もお客様に物件をご紹介する時には”懸念点”としてお伝えするような項目ばかりです。
懸念点があるからこそ、130㎡という広さがあるにもかかわらず価格がそこまで高くないといったメリットもありましたが・・・
特に床がカーペットの中古物件はフローリングの物件に比べて、大幅に価格が安くなる傾向が強いため、今回の物件も価格が安く設定されていたものと思われます。
果たしてこのような懸念点をどのように解消していったのでしょうか・・・
その3につづく・・・。