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住まいの学び場サムネ

総戸数が少なすぎるマンションには要注意!

2022.11.16

中古マンションを探す際にはチェックをしなければならないポイントがたくさんあります。

最寄駅からの距離やルートの質、管理状態や修繕積立金の積立状況、過去の修繕履歴等のチェックは欠かせませんが、じつはマンションの「総戸数」もとても重要なチェックポイントとなります。

マンションの総戸数とは?

総戸数はSUUMO等の物件サイトでも物件概要の欄に記載されていますが、そのマンションにいくつのお部屋があるのかを表しており、マンションの規模を知ることができます。

閑静な戸建住宅街のような場所に建っている、総戸数10戸以下のような小さいマンションもあれば、大きな敷地に複数の棟からなる、総戸数数百戸のような大きなマンションもあります。

▲総戸数はSUUMO等のサイトの物件概要欄に記載されています。

なぜ総戸数が重要なのか?

なぜマンションの総戸数が重要なのでしょうか?
その理由について考えていきたいと思います。

管理費等の負担が少なくなるケースが多い

日々のマンションの管理にかかる費用は、マンションの住民が毎月支払う「管理費」でまかなっています。

当然、総戸数が大きいマンションの方が管理にかかる総額は高くなりますが、一世帯あたりで負担しなければならない管理費の割合は少なくなるため、規模の小さいマンションよりも毎月の管理費の額を抑えることができることが多いです。

たとえば、総戸数が10戸のマンションでも50戸のマンションでも、管理人さんは基本的に1人です。5倍の規模だからといって、管理人さんが5人になるわけではありません。つまり、総戸数が多い方が、一世帯あたりで負担する管理人さんの人件費も安くなるといえます。



修繕積立金が積み立てられやすい

建物のメンテナンスのために積み立てていく修繕積立金も管理費と同様で、規模が大きいマンションの方が積み立てられやすくなります。

どんなマンションでも12~13年おきに実施する大規模修繕の工事の際には数千万円単位の費用がかかりますが、大規模修繕工事のベースにかかる金額はマンションの規模の大小で大きく変わりません。

黒い網がかかっているマンションは「大規模修繕工事中」のマンションです。

当然、外壁の補修なども、建物の表面積が大きければ大きいほど高額になりますが、ベースでかかる金額は大きくは変動しないため、規模の大きなマンションの方が結果的に修繕積立金が蓄積されやすくなり、修繕積立金の値上がりリスクも低くて済むことが多いのです。

共用設備等が充実している場合が多い

総戸数の小さいマンションの場合は最低限の設備しかないことが多いですが、総戸数が大きいと宅配ボックスやゲストルーム、キッズルーム等の設備や施設が設置されているマンションが多くなります。

最近ではプールやジム、コンシェルジュサービスがあるようなマンションもあります。

居住者全員で設置にかかる費用や運営費用を負担するため、規模が大きいマンションほど設備を充実させることができます。

とはいえ、プールや機械式駐車場などの設備は非常に維持費がかかるので、それらの設備がある=良いマンションということではありません。



優秀な管理組合が組成されやすい

管理組合の理事は輪番制で数年ごとに順番に担当が回ってくるといったマンションが多くなります。

総戸数が大きいマンションの場合は、居住者の中に、不動産関係のお仕事をされている方や、建築士さんや弁護士さんなどが含まれる可能性が高くなりますし、積極的にマンションの運営に関わりたいといったモチベーションの高い方がいる可能性が高くなります。

中にはマンション管理士という専門の資格を持っている方がいる可能性もあります。

残念ながら、多くのマンションでは管理組合の運営をマンションの管理会社に丸投げしてしまっていて、大規模修繕の内容や金額なども管理会社に言われるがまま・・・というケースが多いです。

意識の高い管理組合だと、きちんと管理会社からの提案内容を精査し、相見積もりを取ったり、無駄遣いを無くす努力をするので、長期的に良好なマンションの運営が可能となります。

何戸以上あると安心できるのか?

では、何戸以上あるマンションが安心できるのでしょうか?

明確な基準はありませんが、サムタイムズでは総戸数は少なくとも30戸以上ある物件をおすすめしています。

規模が大きければ大きいほど良いというわけではありませんが、総戸数が10戸や20戸など、小さすぎるマンションは注意が必要です。

総戸数が小さい物件のチェックポイント

では、気に入った物件が総戸数が小さい物件だった場合はどうすれば良いのでしょうか?

総戸数が小さいマンションであっても “良い物件” は存在しますので、以下のようなチェックポイントをきちんと確認しましょう。

管理費・修繕積立金の額

管理費や修繕積立金の額が相場と比べて異常な金額設定になっていないかどうかをチェックしましょう。おおよそ、専有面積の㎡あたり200〜250円くらいが相場となります。

仮に70㎡程度の物件の場合は管理費:14,000〜17,500/月、修繕積立金:14,000〜17,500円/月前後、合わせて28,000〜35,000円/月程度が妥当な額となります。

この基準よりも大幅に高額になってしまっているような物件は要注意です。

また、逆に管理費や修繕積立金が安すぎる物件も将来的に大幅な値上げが必要になったり、適切な管理や修繕ができなくなってしまうリスクがあります。

管理費・修繕積立金の値上げ予定

現在の管理費・修繕積立金が妥当な金額であったとしても、将来的にどんどん値上がりしていってしまうリスクもあります。

「重要事項調査報告書」に管理費等の値上げ予定が書かれていることが多いです。

管理会社より取得する「重要事項調査報告書」という書類の中に、管理費や修繕積立金の今後の値上げ予定等が記載されているので、必ず確認するようにしましょう。

長期修繕計画の有無

ほとんどのマンションで、いつ、どんなメンテナンス工事をどのくらいの予算をかけて行っていくのか、管理組合の会議で検討されています。

その計画をまとめたものを「長期修繕計画」といいます。

長期修繕計画表はこんな感じの資料です。

長期修繕計画がしっかりと検討されている物件を選ぶようにしましょう。

なかには長期修繕計画が無いマンションもありますが、住宅ローンの審査に影響する場合もありますので、注意が必要です。



管理組合の総会議事録

マンションの管理会社に管理を委託しているマンションでは、定期的に実施される管理組合の会議でどのような議論がなされたか、「議事録」が保管されています。

管理状態に不安があるマンションの場合は、不動産会社から総会の議事録を数年分入手し、内容を確認しましょう。

修繕積立金の値上げについての議論や、古いマンションの場合はマンションの建て替えについての議論がされている場合もあります。

売主さんがお住まい中の中古物件の場合は、内見の時などに直接、売主さんに管理組合の運営状況などを確認していただくと、より具体的な状況について知ることができるでしょう。

もちろん、あまりネガティブなことは教えていただけない可能性が高いので、最後は自分自身でしっかりとチェックするようにしましょう。

まとめ

全ての30戸未満のマンションがリスクが高いかというと、けっしてそんなことはありませんが、やはり規模の大きいマンションに比べると、心配なポイントも多くなってきます。

総戸数の小さいマンションを購入する際には、重要事項調査報告書や長期修繕計画書等を確認し、将来的なリスクがないかどうかをしっかりとチェックしたうえで購入するようにしましょう。

今は問題がなくても、10年後や20年後にリスクが顕在化してくる可能性もあるということを、しっかりと意識しながら検討すると良いかと思います。