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住まいの学び場サムネ

フローリングの遮音等級 LLやLHって何?

2023.04.06

マンションを購入する時、誰もが心配するご近所さんとのお付き合い問題。

中でも最も多いのが、「騒音」に関する問題です。

特に小さい子供がいるご家族にとっては、子供が家中を走り回って下の階の方からクレームが来たらどうしよう・・・と心配されている方も少なくないと思います。

実際にマンション内で発生する居住者間のトラブルの中で「生活音」に関するトラブルは非常に多く、音の聞こえ方には個人差があり、明確に基準を設けることができないため、解決が非常に難しい問題となっています。

騒音の聞こえやすさは、隣接住戸との間にあるコンクリート(スラブ)の厚さ(現在は200mm程度が標準)、梁の量、部屋の面積、床の構造(直床・二重床)、床材の遮音等級など、さまざまな要因によって変わってきます。

今回は「床材の遮音等級」について詳しくお伝えしたいと思います。

衝撃音の種類

衝撃音にはスリッパで歩く音や、スプーンなど固くて軽いものを落とした時に響く「軽量床衝撃音(LL:レベルライト)」と、子供が飛び跳ねたり、かかとをゴンゴンさせながら歩く時などに響く「重量床衝撃音(LH:レベルヘビー)」の2種類があります。

遮音等級は数値で表される

それぞれの遮音等級は、「LL-45」や「LH-50」などといった単位で表され、床からの衝撃音の伝わりにくさを表しています。

このLL-◯◯やLH-◯◯の数字ですが、大きいほど性能が高いと思ってしまいそうですが、実は数字が小さければ小さいほど遮音性能が高いということになります。

マンションによっては床材の遮音等級制限がある

実際の管理規約にはこのように記載されています。

多くのマンションにおいて、マンションの管理規約や使用細則で「床はL-●●または同等以上の性能を有する床材にて施工すること」などと定められているので、リノベーションを検討する際には事前にマンションの管理規約等を確認するようにしましょう。

管理規約や使用細則はマンションのペットの飼育やゴミ捨て、リフォームなどのルールについて記載されたルールブックのことです。

不動産会社経由でPDFデータなどで入手することができますので、マンションを購入するときには必ず管理規約や使用細則の内容にざっと目を通すようにしましょう。

マンションによっては管理規約に使用できる床材の制限が記載されていない場合もありますが、管理組合で「L-●●以上を推奨」といったルールが設定されている場合もありますので、念のために不動産会社の担当者さん経由でマンションの管理会社や管理人さんに確認すると安心です。

結局は住んでみなければわからない

マンションの遮音性能は様々な条件によって大きく変わってくるため、使用する床材のL値だけではどの程度、騒音が聞こえにくいかを判断することはできません。

実際には上階や下階にお住まいの居住者さんの家族構成やライフスタイルの方が音の問題に直接的に影響してきますので、結局は、実際に住んで生活をしてみないとわからない部分が大きいのです。

とはいえ、どうしても騒音問題が気になる・・・という方は、全ての心配が解消できるわけではありませんが、できるだけコンクリート(スラブ)が200mm以上の厚さで設計されているマンションを選んだり、リノベーションの際に、できるだけ遮音等級の高いフローリングやカーペットを選ぶと良いでしょう。

筆者の自宅のリビングです。カーペットの床もとても気持ちが良いですよ。

カーペットの遮音性能はフローリング材よりも圧倒的に高いと言われています。騒音が気になる方は床をカーペットにリフォームするのも一つの方法です。

ただし、床スラブの厚さは SUUMO等のポータルサイトや不動産会社からもらう物件資料にはほとんど記載されていません。

不動産会社経由でマンションの管理会社等に確認する必要があり、実際には床スラブが厚いマンションだけを限定して探すのはかなり難易度が高いので、具体的に購入を検討する物件が見つかった際に、床スラブが薄くないかどうかを確認するといった手順が良いでしょう。

近隣の居住者さんの家族構成も確認しよう

たとえば下の階のお部屋が小さなお子さんがいるようなご家族の場合は、騒音についても”お互い様”と思っていただける可能性が高いので、ある程度は安心することができますが、お仕事をリタイアされたご高齢の方が暮らされている場合は、どうしてもお家の中にいる時間が長いので、騒音に対して敏感になってしまう可能性があります。

気に入った物件が見つかった時には、売主さんに、ご近所の方と過去に騒音のトラブルが無かったかどうかどんな家族構成の方がお住まいなのかなど、聞ける範囲で確認しておくと安心です。

まとめ

一番大切なのは、マンションの居住者さんそれぞれが思いやりをもって、上下階への騒音の配慮をして生活をすることです。

マンションは戸建てとは違って「集合住宅」ですので、居住者さんみんなで共同生活を送っているという意識を持つことが大切です。

お子さんがいらっしゃるご家族の場合は、お引っ越しの時に「子供がいるので少しうるさいこともあるかもしれませんが、気をつけて生活しますので、これから宜しくお願い致します。」と、一言ご挨拶をしておくだけでも、騒音の感じ方が全く違ってくるものですよ。